世代をつなぐ絵本づくりの現場を見学。中野坂上へお引越し「福音館書店」(後編)【まるっと中野】

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更新日:2026年10月30日

こんにちは。ナカノ観光レポーターの「ちいたん」です。ちびナカノさんも一緒です。

前編でご紹介した、2026年8月21日に開かれた福音館書店の中野区民向け社内見学会。絵本ができるまでの裏側をたっぷり見せていただいたあと、帰り際に、営業推進部宣伝課の池田葵さんと岡崎健浩さん※にお話を伺うことができました。

※「崎」は「立つ崎」

左から池田さん、岡崎さん

新しいオフィスで、働き方はどう変わった?

―お二人は普段、どんなお仕事をされていますか?
池田さん「宣伝課という部署で、福音館の情報をSNSで発信しています。紙の注文書やパンフレットなども扱っています」

―引っ越しで働きやすくなったことはなんですか?
岡崎さん「110人ほど社員がいるのですが、ワンフロアになったことで情報の連携がしやすくなりました。相談もしやすくなりました」
池田さん「駅直結になって、編集部では原画の持ち運びが天候に左右されなくなりました。移動時間が読みやすくなったのも助かっています」

福音館書店の池田さん

―社内見学会に参加して、盛り上がりを肌で感じましたが、いかがでしたか?
岡崎さん「募集の段階から反響が大きく、500件を超えるご応募をいただきました。どれだけ福音館が好きかというメッセージもいただき、熱意が伝わってきて嬉しかったです」

福音館書店の岡崎さん

年間150点近く。絵本が生まれ、書店に届くまで

―新しい絵本は年間どのくらい発売されますか?
池田さん「月刊誌が7誌あり、1誌あたり年に12冊、合わせて年84点になります。既刊の再販も含むことがありますが、ほとんどが新作です。書籍の新刊も年50~100点ほど出ています」
岡崎さん「月刊誌と書籍を合わせると、最近は年間150点近くになります」
池田さん「いま手に取っていただける作品だけでも2000点以上あります」

創設から出版された本は1万点以上とのこと。想像していたよりずっと膨大でした!

左からちびナカノさん、だるまちゃん、からす

―書店への営業内容はどんなものがありますか?
池田さん「新刊の情報をお伝えしたり、フェアをご提案したりしています。個別の書店さんはじめ、チェーン店や児童書の専門店にも営業させていただいています。サイン会や原画展などイベントを提案することも増えました」

―新刊の売り込み方を教えてください。「これは売れる」と思うポイントはありますか?
池田さん「いろいろなアプローチがあると思いますが、書店員さん実際に本を読んでもらい、併売する本をご提案したり、書店員さんのご意見を伺うことも多いと思います」
岡崎さん「福音館は『ベストセラーではなくロングセラーを』なんです。時代を超えて、末永く愛してもらえる作品を送り出すことを大切にしています。-その背景には、一過性の流行りすたりではなくて、子どもたちが本当に楽しめる良質な作品を届け続けていこう、という信念があるんです」
池田さん「編集部も、新しいロングセラーを作りたい、という想いが強いです」

『ぐりとぐら』とちびナカノさん

―作家さんから営業方法に要望がありますか?
岡崎さん「細かな営業活動についてはそこまで多いわけではないと思いますが、最近は、作家さんご自身がSNSで情報発信される時代にもなりましたので、PRやイベントなどで色々とご協力を頂くことがあります」

―イベントの企画立案について、アイデアを思いつくきっかけを教えてください。
池田さん「ロングセラー作品が多いので、周年のイベントなどは、常に話をしています」
岡崎さん「中野区の皆さまとの取り組みもそうなのですが、社外の方と『一緒になにかできないか』とお話しをはじめた所から、色々なアイデアが生まれることは多いですね」

左から池田さんと岡崎さん

―今、絵本がよく売れているそうですが、どうしてだと思いますか?
池田さん「大人の方も楽しめる作品がけん引しているのだと思います。ただ、福音館はあくまで子どものための本を作っている出版社ですので、その良さをこれからもお伝えしたいと思います」
岡崎さん「デジタル化が進む世の中ですが、子どもにはまず紙の本を読ませたいという根強い想いがあると思うんです。また、子ども向けだけれど、決して子どもだましではない本格的な作品を読んで欲しい―――そうして作ってきた絵本の魅力を、長い年月の中で実感してくださる方も増えているのではないでしょうか。結果として、大人になってからも楽しんでいただけるようになっているのだと思います」

『ぐりとぐら』の展示

―月刊絵本『こどものとも』や『かがくのとも』など、知的好奇心に訴えかけるものが幼稚園や保育園などでも読まれていますが、子どもの心や頭がやわらかくなる絵本を作るコツはなんだと思いますか?
池田さん「とにかく言葉を大事にしていて、子どもが読みきかせてもらったときに、どれだけ楽しめるかが一番なんです。教材としての性質をまったく意識していません。社内でも『絵本は、読んだら読みっぱなしでいいよ』と言われています。効果を考えては作っていないです」

楽しんだ先にたまたまあった効果、ということかもしれません。

『こどものとも』創刊70周年

―『こどものとも』70周年おめでとうございます!関連イベント等あれば教えてください。
池田さん「中野区役所で創刊から現在までの全844点の歴代表紙展示や、『おおきなかぶ』の複製原画を展示した記念展『こどものともの歩み』を開催しました。この展示は今後、全国の5~6ヶ所の図書館をまわります。内容は相談中ですが、2026年10月から12月に中野東図書館でも展示を予定しています」

中野区役所での展示の様子

中野坂上のまちと、これからの発信

―中野坂上はどんなまちですか?好きなところを教えてください。
池田さん「さっそく飲みに行きました。食事するところが多いです」
岡崎さん「お手ごろな価格で美味しくて、ボリューミーなお店が多いですね」

ロングセラーが本当に多い福音館書店ですが、最近の人気作品を教えてもらいました。
月刊絵本として発行して、刊行から1か月で在庫がなくなり、すぐにハードカバー化したという、おせち料理の紹介をしてくれる『おせち』と、繊細な絵のタッチが特徴で、今年沢山の賞も受賞している『ある星の汽車』です。それぞれのこだわりが随所に光る絵本です。是非、読んでみてくださいね!

左から『ある星の汽車』と『おせち』

―初の公式ポッドキャスト「ふくいんかんラジオ」をスタートされたと聞き、早速聞いてみました。ラジオでは絵本の話や社員の生態がまったり語られていて、とてもおもしろかったです。今後、中野から世界へどのような発信をしていきたいですか?
池田さん「出版社って何しているのか、ご存知ない方が多いと思うんです。みなさんに絵本作りの裏側やこだわりをお伝えできたらいいなと思います」
岡崎さん「福音館書店は、子どもたちのこと、絵本作りのことを本気で考えている会社です。そんな雰囲気が伝わって、みなさんがホッと一瞬、童心にかえれるような、児童書の世界をもう一度まったり楽しめる時間になればと思います」

―最後にメッセージがあればお願いします。
池田さん「『引っ越してきてくれて、ありがとう』と言われるのが嬉しくて。逆に、受け入れてくださってありがたいなと思っています」
岡崎さん「今後ともよろしくお願いします」

「ちいたん」も絵本の読み聞かせをして、3人の子どもたちが育ちました。お世話になった「福音館書店」には感謝の気持ちでいっぱい。残念ながら廃刊になってしまった雑誌『母の友』に子育てを支えてもらいました。読者コーナーにお手紙が載ったこともあるんですよ。子どもたちとの思い出がたくさん詰まっている絵本たちは今でも宝物です。

「あれ?ちびナカノさんがいない。もう帰りの時間だよ」

本の廊下

絵本とちびナカノさん

遊んでいるちびナカノさん

福音館書店

所在地 中野区本町2‐46‐1中野坂上サンブライトツイン2階
アクセス 東京メトロ中野坂上駅から徒歩1分 
電話番号 03‐3942‐2151(総務課)
HP 新規ウインドウで開きます。https://www.fukuinkan.co.jp/(外部サイト)
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福音館書店 社内見学会

対象 区内在住・在勤・在学の方
日時 2026年8月21日(金曜)午後1時から、3時から
※いずれも1時間30分程度
会場 福音館書店

お問い合わせ

このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。

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