エックス線検査など医療で浴びる被ばくは健康に影響がありますか?

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更新日:2023年12月26日

病気の診断・治療に放射線は有用です

エックス線などの放射線を利用した、健診・検診・診断・治療などの医療にともなって受ける放射線被ばくを、医療被ばくといいます。
医療被ばくは、がんなどの病気や骨折などのけがを、迅速に正確に見つけたり、治療したりするために必要です。
したがって、医療を受ける際に被ばくした個人が、その医療行為から直接利益を受けるので、医療被ばくでは個人の線量限度は設けられていません。

参考

放射線診療に伴うリスクには、

  • 機器との接触や検査台からの落下などによる外傷
  • 診療に使用する薬の副作用
  • 注射や血管撮影手技による合併症(血管損傷、血栓形成、など)
  • 放射線被ばくによる影響

などがあります。

放射線被ばくによる影響

医療で使う放射線も、原発事故に伴う放射線も、自然にある放射線も、浴びた量や強さが同じならば、人への影響は同じと仮定されています。

医療被ばく線量の推定

放射線診療で被ばくする線量は、対象となる人の体格や部位(頭部・胸部・腹部・全身など)、検査・治療の方法、使用する機器などで異なりますが、およそダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。放射線診療別組織別の吸収線量の表(PDF形式:128KB)のとおりです。
ダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。この表に当てはまる検査・年齢がない場合は、日本の診断参考レベル(2020年版)を参考にしてください。

参考

大量の放射線に被ばくすると、がんの発症が増えることは、多くの研究で明らかになっています。
しかし、放射線検査程度の少量の放射線と、がんの関係については、様々な結果が報告されており、科学的に明らかにされていません。
ただし、少量の放射線によって、がんの発症が増えたとしても、その増加分は、他の原因によるがんの発症と比べてかなり小さい、と考えられています。

参考

各組織・臓器の吸収線量がしきい線量を超えた場合、確定的影響が発生する可能性があります。
しかし、放射線治療と血管造影検査以外では、1回の放射線診療で、しきい線量を超えることはありません。

参考

ICRP(国際放射線防護委員会)は、妊婦が受ける医療被ばくについて「胎児の吸収線量が100ミリグレイ未満なら、放射線の影響はほとんど無視できるので、妊娠中絶すべきでない」と提案しています。
放射線治療と血管造影検査以外では、1回の放射線診療で、胎児の被ばくが100ミリグレイを超えることはありません。

参考

被ばくした個人が直接利益を受けるとはいえ、放射線は人の細胞を傷つけます。
放射線の医学利用の有効性を損なうことなく、不必要な被ばくを避け、必要な医療被ばくを最小にすることは大切です。

インフォームド・コンセントとは、「医師が、患者に対して、受ける治療内容の方法や意味、効果、危険性、その後の予想や治療にかかる費用などについて、十分にかつ、分かりやすく説明をし、そのうえで治療の同意を得ること」です。
日本では、対象が拡張され、医師だけでなくすべての医療従事者の義務として、法令にも規定されています(新規ウインドウで開きます。医療法第1条の4第2項など)。
インフォームド・コンセントは、医療従事者からみれば義務ですが、患者・被検者からみれば「正確な情報に基づいて、自己の責任で医療行為を選択する」という権利です。
放射線診療について、分からないことは医師・歯科医師・診療放射線技師などに確認して、納得した上で、受けることを決めるようにしましょう。

参考

その他

短期間に、多くの医療機関にかかると、医療機関ごとに、同様の放射線診療を受けることになる場合があります。
医療機関を変えるときは、「以前に受けた放射線診療の情報をもらう」あるいは「次の医療機関に送ってもらう」ように、医療機関に頼みましょう。

お問い合わせ

このページは健康福祉部 保健予防課(中野区保健所)が担当しています。

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